#11 INSANE

いやいや、ハマりましたね。ハマってます。久々ずっぽり系です。

都合により数日篭りきりでこの原稿を書いているのですが、その間何度も繰り返し流しているうちに、
“アノ声”とフロウ、リリック、そしてビート、が絡み合う絶妙なグルーヴ感が完全にクセになってしまいました。

ここは横須賀か仙台か、はたまたジャマイカか。

今回のFEATUREはこれまでとは少し違った趣で、ガッツリ音楽の人達。
今レゲエシーンにおいて間違いなく最重要人物である2人です。



レーベルMastermindを率い、常に第一線を走り続けるレゲエディージェイRueed氏と、
現場支持率No.1、最も勢いの有るサウンド”YARZ”のメインセレクターTonzilla氏。

この2人の共作であるコンセプトアルバム ”INSANE” をリリース、ということで、ある日の夜に座談会をセッティングして頂きました。

自分はHiphopが好きで、気付けば10代前半から30年ほど聞いていますが、
Club大好き、カルチャー大好きオッサン特有の雑食系でも有り、R&BもSOULもHOUSEも、そしてReggaeももちろん大好き。

ただ詳しくはないし、レゲエの現場でガッツリ遊ぶ、ということも少なく、夜遊びしている中で自然と耳にする曲を吸収する程度でしたが、
そんな自分でも当然知っているディージェイとセレクターで、勝手に持っていたイメージは王子様と超BADMAN。笑



今回初めてゆっくり話す機会を頂きましたが、Tonちゃん(Tonzilla)に関しては実は僕は結構何年も前から見ていて。
というのも、仙台で年に1度「伊達祭」という市街フェスが行われていた時期があり(今年ついに復活!祝!)、
仕事の絡みもあって毎回お邪魔していたのですが、ドレッドにサングラスのスタイルで仲間を引き連れている、
とにかく目立つ集団がいつもいて、”めっちゃくちゃ悪そうな子達いるな~”と思っていました。笑

Rueed君は、もう何年も前ですが横浜のレゲエのClubと都内のClubで1度ずつくらい見かけたことがあり、
彼の周りに共通の友人も居ましたが、自分の中では芸能人枠にいる人なので話し掛けることなどできず…
ただただ、”自分もそういう顔と才能に生まれたかったです”と思って見てました。笑

そんなお2人に、音楽の話、10代の頃の話、ジャマイカの話、ここでは書けない話、途中のオニギリくんの話……色々聞かせて頂きました。



レゲエに詳しい人からすると、この2人の共作は何ら不思議ではないのかも知れませんが、
前述の通り、2人に全く異なるイメージを持っていた自分にとっては意外に感じて。

いつ頃からの関係性なんだろう、というところから聞くと、
Rueed君が”Road to 横浜レゲエ祭”で史上最年少優勝を果たした2007年、お互いが18歳の頃からだそう。
同い年の10代が優勝してヤベー!ってなって、(TONちゃんから)すぐに一緒にイベントをやりたくて連絡をして、ダブも録ったり、と。

下の写真は、当時のRueedくん。スゲーとこでやってる…
若干18歳にして、この状況でかませるのがすごすぎ。



ちなみに、当時レゲエシーンのみならず話題をかっさらったRueed君が、
ディージェイとしてのキャリアをスタートさせたのは15歳とのこと…早過ぎる。
15歳の頃、自分はHiphopこそ聞いていましたが、毎夜地元コンビニにたむろしヘラヘラしてた気がします。

しかもキャリア3年であのレゲエ祭への切符を勝ち取るなんてちょっと考えられないですよね。
その音楽やカルチャー的なルーツを辿ると、やはりお兄さん(窪塚洋介氏)からの英才教育はとにかく大きかったそう。
確かに、その時代/世代を代表する顔であり、
ファッションやカルチャーのムーブメントにおいてもド真ん中にいた人が近くに居る環境、というのは、
想像も付かないくらい刺激的だっただろうと思います。



その影響で最初はHiphopが凄く好きで、という話を聞けた時に、僭越ながら”お~!やっぱり!”と、
自分なりにどこか合点がいく感覚がありました。
言葉では上手く伝えられないですが、フロウやリリック、MVでのちょっとした動きとか、絶対ハイブリッド系B-Boy。

それはTonちゃんも同じで、例えば昨年Youtubeに上がっていたYARZのプレイ1つを聞いても、
かけてる曲はレゲエでも、絶対Hiphopもすごくチェックしてて好きなんだろうな、と感じる部分もあって。そんで、Mixめっちゃ上手いし。



そんな勝手なシンパシーを感じつつ、今回の”INSANE”から先行リリースされた”GANGALEE”を聴いたとき、
う~わ、ヤバッ! 完全にRagga Hiphop! と一人でブチ上がりました。
しかもなんか、この辺の感じを出してくるタイミングも絶妙なんですよね。

「INSANE」収録曲 "GANGALEE"


その昔90年代の頃、(結構短期的ブームでしたが)”ラガヒップホップ”というものが流行った時期があり、
要は当時のHiphopと同じくSamplingを用いたトラックにディージェイが歌をのせたり、
中にはHiphopの既存トラックまんま使いでリリースしちゃうヤツもいたり。笑

Mad Lion,Super Catがいて、若かりしBUJUもいて、そこにKRS-Oneも参戦したり、
Kenny Dopeもその手のトラックをガンガン作ったり。プリモのトラックにレゲエのフロウがのったり。

(参考として2曲のMVのリンクしておきますので、お時間あればぜひ聞いてみてください)
The D&D All-Stars 1,2 Pass It
Buju Banton - Champion

ジャマイカと東海岸Hiphopが突然融合し始め、
レゲエの良い土臭さと、首振り全開のキレの良いトラックが何とも言えないマッシュアップ感を醸し出して、
当時は賛否両論あったラガヒップホップでしたが、自分は結構好きだったんですよね。

この辺の空気感は、今回のアルバムのプロデューサーであるTonちゃんが狙ったテイストではないかと推測しますが、
”GANGALEE”以外にも夏系のHiphopトラック使ってたり、レゲエ好きはもちろん、
Hiphop好きも”オッ!”と反応してしまうような仕掛けがあって凄く良い作品。

こういう作品を、このタイミングでリリースする”勘”というか感覚が素晴らしいし、
それを昇華させて自分のワールドにしてしまう歌い手も歌い手で完璧。MVも全曲撮って欲しいと思っちゃいますね。



旧知の仲だからこそ理解しているお互いの良さが、存分に引き出されてるアルバムだと思います。
 
興奮してついアツくなってしまいましたが、
座談会当日は音楽の話2、関係ない話8くらいの感じで、とにかく楽しかったなー。笑

大体こんな感じで、



そこからもこんな感じで



概ねこんな感じ。笑



YARZのONIGILLY君(オニギリ)も同席してくれてたのですが、その彼の家族が大変な扱いを受けた話(笑)や、
横須賀にいたレゲエの母の話、窪塚兄弟でジャマイカに行ったときの話、
仙台の外人や浮浪者が勝手に住みつくアパート?廃墟?の話(笑)、ニュースにもなった仙台の事件の話(笑)…

詳しいことはまず書けませんが、もっと聞きたい話ばかりでした。また聞かせてください。笑

そんな話ばかりしていたら肝心なことを聞き忘れていて…汗

今回アルバムタイトルの”INSANE (=非常識、狂ってる)"のにはどんな意図があったのかなあ、とふと思い、
自分なりには、お互いの秘めた狂気的な部分を表現したのかな? などと深読みしていたのですが、

後日改めてTonちゃんに聞くと、

「LA行った時にゲットしたモノの名前です」

と。(爆笑)

そりゃ何日も繰り返し聴いてたらズッポリハマるはずだわ、と妙に納得してしまいました。

そんなプンプンに香ってきそうなINSANE、
しっかりPake
®︎(※)で密封して2022年6月11日にリリースとなりました。

INSANE Pake®︎ PACK

※Pake®︎に入ったものは、CDとグッズがセットになった限定盤になります。
CD単体での販売もございますので、ご購入希望の方は”Rueed Official Store”をチェック。

嬉しいことに、
HAIGHTでアルバムジャケットのデザインやグッズの製作に携わらせていただきました。
お声がけありがとうございました!

その他にも、

INSANE Tee Type.1


INSANE Tee Type.2

HAIGHTとコラボレーションでウェアも発売。
アルバムと合わせて是非チェックしてみてください!
(すでに売り切れてしまっている、カラー、サイズもございますが、こちらもRueed Official Storeでも取り扱いございますので、そちらでもチェックしてみてください)

Tonちゃん、Rueed君、貴重なお話ありがとうございました。
また話の続きを聞かせてください。



著者:Dr.DARE