#13 BAKIBAKI
まいどまいど、という具合で今回もFEATUREは大阪から。
とりあえず「十三(じゅうそう)駅で待ち合わせで」とのことで、初の十三へ。
奇しくもFEATUREも今回で13回目という偶然のシンクロ。
字面のインパクトもあり地名としては知っていましたが、
思い返すと大阪では堀江・心斎橋・梅田・新世界・本町…くらいしか行ったことがなく、
どういうエリアなのかは見当もつかないまま到着。
イイ佇まい駅だ~と思いながら何気なく撮った写真ですが、
改めて隅々を見返すと、いたるところから昭和が滲み出ていてほっこりします。
フラっと路地に入ると昭和と東南アジアのMixのような。めっちゃよい。
駅周辺は10分ほどの散策でしたが、色々掘ってみたい気になる場所でした。
(リラクゼーション仙豆 笑)
そこから車でしばらくいくと少し雰囲気が変わり、工場や倉庫のような建物が立ち並ぶエリアに。
高いビルもなく、時間もゆっくり流れていて、ここもまた好きな雰囲気。
そんなエリアの一画にある黒い鉄板の扉。
今回の目的である、アーティストBAKIBAKI氏のアトリエ ”十三光” へ到着。
BAKIBAKI氏といえば、どこかで目にしたことがある人も多いと思いますが、何といっても氏のシグニチャーであるBAKI柄。
自分も日本の伝統的な意匠、文様や家紋だったりも好きなので(知識浅いですが)、
麻の葉文様が凄い完成度でアップデートされているというのはわかりますが、
それを落とし込んだ作品を調べると、見れば見るほどどこか不思議で。
直線が延々とつながっていく中毒性だったり、規則的なのに変則的?で、
イラレの線と塗りのバランスみたいなところも、作品ごとに絶妙に違っていて凄い。
でもこんな正確な直線、大きな壁に描くときどうしているのか。
そのあたりの話はぜひ聞きたい、と思いながら扉を開けて一歩入ると、
天井たかっ!広っ!
大きな作品も多いでしょうし、ある程度広いスペースは想像してましたがこれは想像以上。羨ましい。
元々鉄工所だったそうで、自分もたまに都内でこういう物件を探したりするのですが出るはずもなく…。
とにかく理想の大空間。興奮のままアトリエを見回すと、
さまざまな題材にBAKI柄が融合した大判が沢山。サイズだけではない迫力が圧巻です。
BAKI柄の落とし込みを探すのも楽しいですし、題材に合わせたタッチで色々描けるのも凄い。
聞けば学生時代は美術の大学に進んだそうで、
ド素人の自分はそれだけで ”なるほど!どおりで!” なんてわかったつもりでいましたが、
さらに聞くと最初は彫刻を専攻し、その後版画を勉強していたと。
ほお~……?? 彫刻?版画?
その時は今見たばかりの作品達とどうにも結びつかなくて、一旦考えるのをやめてさらにアトリエを徘徊してみる。
気になるの多いな~と思いながら、ふと目をやると大量のテープが。材質や太さもいろいろ。
さっきからテープをあちこちで見るなと思ってましたが “BAKI柄を描く時に沢山使うので” とのこと。
お〜なるほど。マスキングでBAKI柄の直線を…とは想像してみるものの、マスキングだとするとどういう順番で描くのか?
聞いたら聞いたで、より難解でした…笑
ひとしきり話を終え ”近所に大きい作品がいくつかあるから見に行こう” と外へでると、
ぬかりはなし。
アトリエを出て、自身が発起人として始まった”淀川ウォールアートプロジェクト”の作品を見に。
その作品はコロナ禍での医療従事者への敬意を表現し、ナイチンゲールを壁に描いた作品とのこと。
いわゆる塀のような壁を想像していましたが、
ビルの外壁丸々。これは凄い。描かせてくれるのも凄い。
そしてアトリエからずっと気になっていた、柄の直線を描く手法について実物の壁画を前に改めて聞いてみると、
「まずビルの外壁を黒に塗りつぶしてから…」
!!!
なるほど!ここでやっとピンと来た。
先に一面を塗りつぶしてBAKI柄のアウトラインをテープで作り、柄以外の絵や色を描いてテープを外す。
要はBAKI柄のアウトラインは、最初に塗りつぶした色を残して作られたラインなんです。
さらにテープなので調整・修正も効くし、角の鋭角も思い通りの角度で綺麗に出せるとのこと。確かに…
ナイスな手法を考えますね。発明的なアイデアだし、確実に変態の極みです。
プロジェクトの紹介をしているこちらの記事の写真がペイント前のビルから完成形までがかなりわかりやすいので、
この記事を読み終えたら見てみてください。手法がわかった上で改めて追ってみるとより凄さを感じれるはず。
塗り重ねていくものかと思っていましたが、データでもよくある ”抜き” のようなイメージというか、逆マスキング? 的な。
しかしどうやってこの手法というか構築が思いつくのか…何かヒントがないか考えてみると、
順番を組んだり、色を"のせる"か"ぬく"かの好みなど、どこか版画に通じてるようにも思えますよね。
勝手に紐付けて勝手に納得してましたが、あながち間違いでもない気がします。
そうこうしているうちにいつの間に夕暮れどき。
最後にもう1ヶ所、大きな作品も見れて気持ちいい場所があるということで移動。
行き着いた先には、
とんでもない光景がありました、岡本太郎大先生。迫力凄い。最高。
しばらく見惚れつつ、ついついクセで部分的に気にして見ていると、
ナイチンゲールも太郎画伯も、肌の部分の影の付け方が結構大胆というか、まるで彫ったみたいだな…と。
彫りか…お!なるほど!
こういうところに彫刻要素が、とまた勝手な解釈してましたが、
影がスパッと面になってる感じとか、見れば見るほど彫刻のように見えてきます。
それは意識的なのか無意識かわかりませんが、素人目に見ると、
これまで自身がインプットしてきたアートの手法や考え方が全て融合されているように映りました。才能って素晴らしい。
ラスト、岡本太郎を背に土手を登ると、
最高に気持ちのよい景色が広がっていました。下町からアップタウンをのんびり眺める感じもよい。
40代の中年男4人でしばしの間、体育座りで淀川と街との景観を眺めていました。
前回も感じましたが大阪はパブリックアートに対して寛容というか理解があり、
そういったものが日常的に見れる環境は凄く贅沢だし羨ましい。
お好きな方、大阪行かれる際はぜひ十三へ足を伸ばして作品を実際の目で見てみてください。
そして記事を書いてるということはもちろん、コラボレーションアイテムも発売されます。
BAKI柄を随所に用いた、絶妙な和テイストを感じるアイテムライナップ。6月17日(土)一斉リリースです。
【HAIGHT×BAKIBAKI COLLECTION】
発売日:2023年6月17日(土) ※サイトでは10:00に公開になります
BAKIBAKI LOGO Tee
¥6,600(税込)
WHITE/BLACK/NAVY/NEON ORANGE
M/L/XL/XXL
BAKIBAKI POCKET Tee
¥7,150(税込)
WHITE/BLACK/GRAY/GOLD
M/L/XL/XXL
BAKIBAKI OPEN COLLAR SHIRT
¥16,500(税込)
WHITE/GRAY/BROWN
M/L/XL/XXL
BAKIBAKI TENUGUI
¥3,080(税込)
BLACK/GREEN
BAKIBAKI 2WAY SHORTS
¥16,500(税込)
BLACK/OLIVE
M/L/XL
※生産の都合上、こちらの商品のみ発売日が延期になります
著者:Dr.DARE